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2009年1月25日 (日)

[数字でみるニッポンの医療]読売新聞医療情報部

[日本の医療費は高いのか]
① 平均寿命 23年連続世界一
 日本人の平均寿命は、男性79.19歳、女性85.99歳(2007年)となり、過去最高を更新し続けている。女性は23年連続世界一で、男性はアイスランド、香港に次いで3位だ。戦後間もない1947年には、男性が50.06歳、女性は53.96歳だったので、60年かんでおよそ30年も延びたわけだ。

②医療費 年間33兆1276億円
 医療費の国際比較の際によく用いられる指標としては、国民所得のかわりに、「国内総生産(GDP)に占める医療費の割合」がある。
 欧州各国など先進30カ国が加盟するOECD(経済協力開発機構)が、2007年7月に発表した「ヘルスデータ2007」から紹介する。全30カ国の平均は9.0%。トップはアメリカで15.3%と圧倒的に高く、以下スイス、フランス、ドイツ、と続き、日本は22番目だった。先進7カ国中では最下位だ。日本の医療費は決して高くない。むしろ安すぎるという主張の根拠はここにある。

④病院の実力格差 死亡率約2倍
 心臓の冠動脈バイパス手術について、実施件数が少ない医療機関の死亡率は、件数の多い医療機関に比べて約2倍も高い--
 日本胸部外科学会が2006年、全国の約21万件の手術データを解析したところ、こんな実態が浮かび上がった。これほど大規模なデータを基に、心臓外科手術の件数による成績格差が明らかにされたのは、初めてのことだ。

⑤医療事故死 年間2万6000人
 「医療事故」で死亡する入院患者は年間約2万6000人。国立保健医療科学院の長谷川敏彦・政策科学部長(当時)が2002年、初めてはじき出した医療事故被害の推計値だ。交通事故死の3倍を超える。

⑥命の値段、47歳で6106万円
 Aさんは47歳のサラリーマン。年収は700万円。平均的な労働者の収入に近い。医が痛むので近くの病院に入院したところ、手術はうまくいったが、その後の点検ミスが原因でなくなってしまった。Aさんの妻は損害賠償を求める民事訴訟を起こすことにした。依頼を受けた弁護士は、こんな数字を妻に示した。
 700万円×(1-0.3)×12・462 = 6106万3800円
 これがAさんの命の値段(遺失利益)である。

⑦救急患者 5割は軽症
 救急車で搬送されたり、夜間、休日など診療時間外に医療機関を受診したりする救急患者は、全国で1日6万5千人にのぼる。うち推定で焼く7500人が入院している。救急搬送された患者は、1995年に316万人だったが、2005年には496万人に増加した。このうち65歳以上の高齢者は95年の約100万人から05年には約220万人増え、高齢化が救急患者の増加の要因になっていることがわかる。

 総務省消防庁の調査では、救急搬送された患者の約50%は軽症だという。救急車を病院までのタクシー代わりに利用しようとする119番通報が全国各地で問題になっている。読売新聞社が全国の主要51都市の消防本部に実施したアンケートでは、「119番でかけつけると、入院用の荷物を持った女性が自ら乗り込んできた」「○月○日の○時に来て」と救急車を予約しようとする、救急車を呼びながら、実際はあらかじめ病院に診察の予約を入れていた。などのケースが報告された。風邪程度なのに、「救急車で行けば、早く診てもらえる」と思って119番する事例も確認されたという。

①75歳以上の新保険 月定額600円

「現代の姥捨て山か!」「年寄りは早く死ねということか!」
2008年4月から始まった新しい後期高齢者医療制度の評判がすこぶる悪い。
国の制度では65歳以上を「高齢者」とし、そのうち74歳までを「前期」高齢者、75歳以上を「後期」高齢者と呼んでいる。今回始まった新しい医療制度は、このうち75歳以上の「後期」高齢者を対象としたものだ。評判が悪いのは名前のせい? とばかりに、政府は急遽「長寿医療制度」と言い換えたものの、マスメディアもさすがにそんな行き当たりばったりの名称変更にはまともにつきあっておられず、カッコつきで後期高齢者医療制度(長寿医療制度)としたのがせいぜい。

 出だしからミソをつけてしまった新制度だが、とりあえず輪郭を説明すると・・・。
 75歳以上であれば全国民が加入する新しい公的医療保険で、これまでの老人保健医療の規模に準じて、年間給付費は08年度が10兆8000億円。そのうち税金が5割、健康保険組合からの支援金が4割、残り1割分は高齢者自身が負担する。

 まず、この高齢者のからの1割の拠出を巡って混乱がおきた。新制度では、収入によって差はあるとはいえ、75歳以上の全員が保険料を直接負担する。国の説明によると、総額は大きく変わらないが、人によって負担が減ったり人もいれば増えた人もいる。特に子供の扶養家族扱いになっていた人はそれまでゼロだったため新たな負担が生じた。
 年金からの天引きという強制的な徴収法であることも、騒動に輪をかけた。実は介護保険料も、従来から天引きされているのだが、昨今の「消えた年金」問題もあり、「年金の支払いはいい加減なくせに、保険料の徴収だけはしっかりやるのか」と、庶民感情を逆なでした。

 診療面での改革の柱とされたのが、患者が主治医を一人に決めて月600円(1割負担の場合)の定額制となる「後期高齢者診療科」だった。従来の診療は、診療や検査した分だけ治療費を徴収する出来高払いだが、この後期高齢者診療科には、簡単な検査などは定額料金に含まれる。専門医にかかる場合には、主治医からの紹介が必要となる。事実上の「かかりつけ医」制度となる。

②高齢者はどこへ? 老人病院38万床が半減へ
「社会的入院」「介護難民」といった言葉を、新聞などで見かける。治療の必要性がないのに入院している状態が「社会的入院」であり、病院を追い出されたのに老人保健施設などに入ることもできず十分な介護が受けられない人を、「介護難民」と呼ぶようだ。
 「医療費の無駄使い」と常に槍玉にあげられてきたのが、社会的入院だ。国は2006年度の医療制度改革で、38万床ある療養病床(いわゆる老人病院)を2012年までに15万床に大幅削減する計画をまとめた。老健施設や在宅介護への移行を図るというが、そんなにすんなりいくのだろうか?

③終末期医療 1ヶ月112万円

①がん生存率 前立腺だと99%
②がんサバイバー300万人、2015年には500万人
③がん対策の国家予算 年間534億円
④認知症患者 30年で倍増450万人
⑤出生率1.26の衝撃
⑥糖尿病患者 1870万人
⑦たばこによる損失、年間7兆3786億円
⑧自殺者3万人

 人口10万人当たりの自殺者数は、日本は24.0人、アメリカでは10.4人、イギリスは7.5人。日本より自殺死亡率が高いのは、ロシアやリトアニア、ベラルーシなど東欧諸国で、西側先進諸国では日本が最も高い。残念ながら、わが国は国際的にみても「自殺大国」と呼ばれて仕方がないのが現実だ。
⑨精神科入院ベッド数 35万床
 人口1万人当たりのベッド数を他の先進諸国と比べると、イタリアが1、アメリカが3、イギリスが7、韓国が8、フランスが10であるのに対し、日本はなんと28にのぼる。
⑩不妊カップル 今や7組に1組
⑪年々小さく生まれる赤ちゃん 女児は平均3kg切る。
⑫医師になるのにいくらかかるか 医学部初年度で1400万円
⑬検査大国 日本 世界のCTの3分の1が日本に。
⑭日本人は「薬好き」タミフル 世界の7割を日本で使用。
⑮抗生物質漬け MRSA比率71.6%(米国34.2%, 英国27.5%)
⑯新薬開発に1000億円
⑰抗がん剤 1回30万円
⑱後発医薬品 8割安


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