「ビジネス数字力を鍛える (グロービスの実感するMBA)」
[数字力を高める7ステップ]
①分析の目的を押さえる。
何のための検討、分析なのか、その目的を明確にする。
②仮説をもってどんな情報が必要かを洗い出す
目的に即して、「こうなるのではないか?」という仮説を持ち、その仮説を検証するためには、どのようなデータや情報が必要になるかを考える。
③適切な情報を収集する。
第2ステップで考えたことにしたがってデータ、情報を集める。
④分析の際にどんな前提を置くべきかを確認する。
第3ステップで集めたデータなどをどのような前提で分析するかを確認する。
⑤集めた情報を加工、計算をする
データを加工する方法を検討し、加工計算などを行う。
⑥目的につながる解釈をする。
加工、計算した結果から、目的に対して意味のある、意思決定につながる解釈をする。
⑦加工結果や解釈をわかりやすく表現する。
解釈した内容をわかりやすく、意思決定者に伝える。
[曖昧さを極力つぶしておく]
目的などの「そもそも論」は、時間が経過すると、関係者に再確認しにくくなっていまうため、なんとなく作業だけが進んでいってしまうということは起こりがちです。
最初のボタンを掛け違えては元も子もありません。「わかっているはず」「前提は共有されているはず」という勝手な思い込みはすべて捨て、できるだけ具体的な言葉を使って、目的の定義からしっかり始めることが重要です。
「指示をだしている上司は、最終的に何をしなければならないのか(例えば役員会での報告など)
[仮説は、さっさと、ざっくり」作る
一般的に、ビジネスパーソンが何らかの課題に直面する場合、
・今までやってきている仕事に対する課題解決
・まったく新しいことに対するチャレンジ
の大きく二つのパターンがあります。それぞれについて仮説の作り方を検討しましょう。
[今までやってきている仕事に対する課題解決]
こうしたケースでは、その業務に対する様々な情報やほかに関与している人の話から、「この問題は○○かもしれないな」という仮説の卵を生み出します。この卵を初期仮説と呼びます。
卵を生み出したら、まずその卵について、自分の周囲のメンバーはどう考えるか、話を聞いてみることをお勧めします。自分自身が持っているイメージがどの程度他の人の共感を得られるのか、得られないのかを確認するのです。
この段階で良い感覚が得られたら、話を聞いてみるメンバーの範囲を広げるといいでしょう。できれば、社外の人などに聞いてみるのもよいかもしれません。
[新しいことに対するチャレンジ」
まったく新しいことにチャレンジする場合、なかなか仮説の卵を持ちにくいものです。そんなときには、以下に挙げた方法を試してみてください。
①手元にあるデータを簡単にざっくり切ってみる
②関連する新聞記事などを時系列で見る
③似たような業界の状況を時系列で見る
④似たような業界のプロの話を聞く
いずれの方法を使う場合も忘れてはいけないのは、「Quick and Dirty」(さっさと、ざっくり)というコンセプトです。初期の仮説を考える段階で詳細にデータを掘り始めるときりがない、時間が足りないという状態に陥ります。詳細な検討はある程度、仮設が育った段階で行えばよいので、この段階では、「さっさと、ざっくり」と、データや情報に対処することが大切です。
[仮説を育てるとは?]
初期仮説 ⇒ ざっくり確認
より具体的な仮説 ⇒ だいたいの裏付け
さらに具体的な仮説
(行動にむすびつく) ⇒ 綿密な検証
[粗い段階 と 詰めの段階]
○普段から触れている情報でも可能 ○目的に沿って特別に情報を集めて判断
○ここの意見や事実そのものを重視 ○母集団全体の傾向等、統計的処理を重視
[仮説を持ちながら大枠で考える]
さて、「仮設を持ちながら大枠で考える」イメージを、ある事業からの撤退のケースで具体的に見てみましょう。
「ここ数年間の当社の売上と、営業努力を見ても、この事業は今後とも厳しい可能性が高い」という初期仮説を持ったとします。
では、考えを深めていくにあたってどんなデータを集める必要がありそうでしょうか? 今までやっていた事業をやめるかどうかを考えるわけですから、当然のことながら、たくさんのデータを集めて精緻に検討したいと考えがちになることは容易に想像できます。
こんなとき、ぜひ、仮設を持ちながら大枠を考えるというステップを思い出していただきないのです。例えば、こんな感じです。
「そもそも事業はお客様があってこそ成立するものなのだから、改めて市場のことを考えてみよう。現状とこれからを予測できればいいかな? 今後の少子高齢化を考えると、将来はあまり明るい見通しではなさそうだな。外資系企業が入ってくる可能性もあるし。
次に、自社の成長を妨げている競合がどんな状況なのかを見ないと、結果は出なさそうだ・・・。
そして最後に、事業撤退を検討している事業がどんな状況なのか? 自社の強みはもう活かせないのか? 自社の弱みは今後事業継続をするには致命傷なのか? つまり自社おの状況をしっかり見つめなおす必要がありそうだ・・・。」
このように考えることができたなら、大枠として市場(現状に関するデータ、将来予測をするためのデータ)、競合(誰が競合か、強み、弱み)、自社(強み、弱み)を中心にデータを集めてみようというあたりがつくわけです。
図1-4のような図を「ピラミッド構造」と呼びます。最後の結論をサポートするメッセージ(例えば報告書で言えば各章の結論のようなもの)を、ピラミッドのような形で表現したもので、コンサルティング会社や外資系企業において、説得力のある論理を展開するための標準的な構造として活用されています。
本書で言う大枠は、ピラミッド構造を支えるいわば柱のようなもので、この柱がしっかりしていれば、最後の結論を安定的に
支えることができます。つまり説明のロジックとして安定し、説得力が増すのです。
●図1-4 ピラミッド構造
+----------------------------+
| 結論としては、当社は |
|この事業から撤退すべきです |
+---------------+------------+
|
+------------------+------------------------------+
|自社の |競合の 市場の |
|状況は? |状況は? 状況は? |
| | |
+--------+-----------+ +-+------------------+ +------+-------------+
|自社は○○、 | | 競合は○○、 | | 市場は○○ |
| ××の状況です | | ××の状況です | | ××の状況です |
+-------------+------+ +---------+----------+ +------+-------------+
| | |
+-------+-+----+ +-------+------+ +-------+------+
| | | | | | | | |
+-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+
|情 | |情 | |情 | |情 | |情 | |情 | |情 | |情 | |情 |
|報1 | |報2| |報3| |報4| |報5| |報6| |報7| |報8| |報9|
+-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+ +-+--+
枠は大切な考え方なので、もう一つ別の例を挙げてみましょう。皆さんはイチロー選手がすぐれた野手であることを説明するには、どんな枠で考えるとよいと思いますか?
例えば、「走」「攻」「守」などの枠組みが考えられそうです。「第1章 走」、「第2章 攻」、「第3章 守」という章立てでレポートを書くイメージです。もうひとひねり、イチローが優れたアスリートであることを説明したいなら、「心」「技」「体」もありそうです。わかりやすいと思いませんか?
●図1-5 マーケティング・プロセス
①マーケティング環境分析と、市場機会の発見
②セグメンテーション(市場細分化)
③ターゲティング(標的市場の選定)
④ポジショニング
⑤マーケティング・ミックス(4P)
Product, Price, Place, Promotion
⑥マーケティング施策の実行と評価
ビジネスフレームワークはこのように、仮設を考えるときに用いることで、仮設そのものを構造化する(大きな抜けや漏れがないように考える)ことが可能になります。結果tぽして仮説を考える効率が上がり、特定の細かいところだけを深堀することを避けることができます。
以下に、びじねすでよくつかわれる事業分析、業界分析のフレームワークを二つご紹介しておきましょう。
●3C
ある企業や事業部などがどのような経営環境に置かれているのか、どのような事業戦略をとろうとしているのかを分析するのに役立つ基本フレームワーク。3Cとは、自社(Company)、競合(Competitor)、市場・顧客(Customer)の頭文字を取ったもので、事業の全体像をおおかまに見ようとする際には、必ずこの三つの視点から見ることを提唱するものです。
この三つを押さえないと、例えば、自社と競合に注意が向きすぎて、顧客という一番大事なものの変化を見落とす、あるいは市場と自社のみをみて、競合のことを考えていなかったということになりかねません。
●まずは視覚化する
重要なのは、データを見たら、いきなり平均値を算出するのではなく、「まずはグラフなどにして、全体の傾向を目で見る」ことです。そのうえで、どんな種類の代表値にそのデータの特性を語らせるかを考えます。
分析を進める際にまず重要なことは、その分析は何のためにやるのかという「目的を押さえる」ことでした。その目的を考えながら、「ああかな」「こうかな」という仮説の卵を産み、その卵を育てていくのが次のステップでした。
そして、その仮説を検証すべく、情報やデータを収集します。
一連のプロセスの中で、私が最も重要であると考える「目的に沿った解釈する」という加工、計算の次のステップに入ります
●図3-1 数字力を高める7ステップ
①分析の目的を押さえる
②仮説を持ってどんな情報が必要かを洗い出す
③適切な情報を収集する
④分析の際にどんな前提を置くべきかを確認する
⑤集めた情報を加工、計算する
⑥目的につながる解釈をする
⑦加工結果や解釈をわかりやすく表現する
・ボディの情報に対して「So what?」(だから何?)を問いかけ、しっかりとメッセージを紡ぎ出す。
・ボディのどの部分からメッセージを紡ぎ出しているのかわかるように、図中の該当箇所を目立たせる。
・一つのグラフから言えることがメッセージであるならば、不要なグラフは取り去る。
・ボディの情報量を適切にコントロールし、見た目にうるさくならないようにする。
□今日の読書 ★★★★☆
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ビジネス数字力を鍛える (グロービスの実感するMBA) 著者:グロービス,田久保 善彦 |
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