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2005年12月

2005年12月31日 (土)

「経済の世界勢力図」 榊原 英資

[アジアで五億人の中産階級が勃興]
 注目すべきことは、中国の13億人のうち15%に当たる2億人の人々が、年収で100万元(日本円で1000~1300万円)クラスの中産階級として育ってきたという事実です。
 同じように、人口が10億人を超えるインドには、年収3000ドル以上の所得層が約1億5000万人いるといわれます。

 このように、世界第一の人口大国・中国と第二位のインドで、合計3億5000万人もの中産階級が形成されているのです。さらに日本を含む東アジアには1億5000万人の中産階級がいるので、合計5億人になります。そのスケールは、米国1億5000万人、EU1億5000万人といわれる欧米の中産階級の数をはるかに超えています。

[今こそ親中路線をとれ]
 日中関係は現在「政冷経熱」状態です。経済の面では非常に緊密さであるにもかかわらず、政治の面では相変わらず冷え切った関係が続いています。好き嫌いにかかわらず、中国と友好的な関係をもたなければ、日本の国益が損なわれます。にもかかわらず、経済の面ですら、イデオロギー的な反中感情のせいで、国益を損なっているケースが多い。たとえば、新幹線問題がそうです。
 北京-上海新幹線の受注競争では、日本の新幹線技術は非常に評価が高かったにもかかわらず、結局ドイツ製リニアモーターカーに売り込み競争で勝てていません。その敗因には、日本側の新幹線技術の中国への流出を嫌う反中感情があったと聞きます。
 
 中国と敵対していては、アジアのブロックから日本ははじき出されることになります。

[AMF構想]
 1998年、タイ・インドネシアで始まったアジア通貨危機の際、日本は、IMFにかわるAMF構想を発表した。通貨危機に陥った国に対して、共同で資金援助を行うファシリティーで、具体的には日本、中国、香港、韓国、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピンのアジア十カ国が合計1000億ドルの資金を供託し、基金を創設するという青写真を描いた。しかし、IMFとは独立に行動する機関であることがわかると、IMFやアメリカの猛反対に会い、実現できなかった。

[アメリカの単独行動主義]
 2001年9月11日以来、ブッシュ政権はがらりと変った。その特徴を一言で言えば、戦時内閣であり、単独行動主義です。イラク戦争では、古くからの同盟国であるヨーロッパ内部の大国フランス・ドイツが戦争の正当性に疑問を最後まで投げかけたにもかかわらず、開戦にふみきりました。また、二酸化炭素の排出の制限を多国間でとりきめる京都議定書を批准しませんでした。国内においても、愛国法の制定など、市民的自由をある程度制限しても国家保安を優先するという方向性が強く出るようになりました。

[国民の金融資産が財政赤字を支えている]
 2005年末現在で日本政府と地方自治体を合わせた債務残高は774兆円、対GDP比で170%に達しています。アメリカでも財政赤字が問題とされていますが、累積債務残高はGDP比60%、額にしても日本の半分以下です。
 これだけ巨大な債務を抱えながら、日本政府の財政が一向に破綻する気配がないのはなぜでしょうか?

 国債の価格が下がらないのは、国債の発行額に対して、それを上回るほどの国債の需要が市場にあることを示しています。特に、日銀、郵貯、銀行、生保が日本国債を買っています。これは、日本国債以外に、同等あるいは高い利率で回せる安全な投資対象がほかにないからです。
 金融機関のその資金を支えているのは、他でもない日本国民の貯蓄です。国内の金融機関が大量に国債を保有しているそのお金は、銀行の預金者や保険の契約者、つまり日本国民から出ているのです。

[個人資産はどう持つべきか]
 個人のみなさんの場合、国債を買ってずっと持っていれば間違いありません。郵貯や銀行が、個人から集めた金で国債を買っていますが、個人で直接国債を買えばいいわけで、たとえば十年国債を買ってずっと持っているわけです。しかも近頃は個人向け国債があって、一年以上たてば満期以前に売却しても元本が保証されています。

□今日の読書 ★★★★★

経済の世界勢力図 経済の世界勢力図

著者:榊原 英資
販売元:文藝春秋
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2005年12月30日 (金)

「歩く人はなぜ脳年齢が若いか?」 大島 清

一回りか二回り散歩してこよう。波打つ私の心を静めるために -- シェイクスピア --

才子は馬車に乗り、天才は歩く
-- ルイ・S・メルシェ --

私の頭は足と一緒にしか進まない
-- ジャン・ジャック・ルソー --

[なぜ歩く人は、みな若々しいのか]
 体を動かさないと筋肉が衰えるのと同じように、私たちの脳も使わないと衰えていく。
 私たちの脳はネットワークで動いている。脳を使わないとネットワークがとぎれてしまうが、使っていれば一度とぎれたネットワークも再生する。では、どう刺激を与えるかというと、歩くのがいいということになる。

 歩けば脳は活発に動く。歩くことに刺激されて脳が「やる気」になっているのだ。歩けば脳が若返るのである。

[どんなときもとりあえず歩けばいい]
 ストレスが溜まると免疫力が落ちると言われている。ストレスが溜まると自律神経にダメージを与えるから、自律神経のバランスが崩れ、免疫力が弱まる。また、細菌が体の中に入り込むのを防いでいるリンパ球もストレスに弱く、ストレスが溜まると活性が低下してしまう。
 
 歩いていると神経伝達物質の一つであるセロトニンが増える。セロトニンは精神安定剤とよく似た分子構造をもっていて、興奮や不快感を静める作用がある。セロトニンは規則正しいリズム運動の中で活性化するとされているので、歩くことに集中し、筋肉を動かしていることを意識することが大切だ。

□今日の読書 ★★★☆☆

歩く人はなぜ「脳年齢」が若いか? 歩く人はなぜ「脳年齢」が若いか?

著者:大島 清
販売元:新講社
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2005年12月29日 (木)

「石に泳ぐ魚」 柳 美里

   本作品は当初「新潮」1994年9月号に発表されたが、その後、作中人物のモデルとなった人物から訴えを受け、訴訟となった。裁判は8年におよび、2002年9月24日最高裁判所は、新潮社と柳美里氏に対して出版差し止めと損害賠償を命じた。
 本書は裁判所に提出された「改訂版」である。

水の音に似た低い嗚咽が聞こえてきた。
「どうして泣いているの」
部屋を隔てた廊下で、五つ並んだ銅像のようにこの部屋の気配を伺っている犬たちの姿が瞼に浮かんだ。
「泣いているのは君だよ」男は闇に溶けるような甘い声でうなづいた。

「あなた劇作家なんでしょ。」という里花の言葉にわたしの心臓はびくっと高鳴った。
「私の顔がどんなだかいってよ」里花の声はワイヤレスマイクにエコーをかけたように、わんわんと響きわたった。
私は暗い舞台のサスペンションライトの下に自分と里花が立っている姿を思い浮かべた。私が里花に、彼女の顔をどう思っているか告白するシーン

 里花 (柔らかい微笑みを浮かべて)私はどんな顔をしてる?
 秀香 (眼を伏せ、虚ろな声で)どんなって……
 里花 よく見て。
 里花は顔を左側に傾げて秀香の言葉を待っている。医者の口から診断結果が出るのを待つ重病患者さながらに、床に落ちる羽根の音さえ聞き逃すまいとして。
 秀香の口の中はからからに乾いて声が出ない。急速に濃くなってゆく夜の闇の中で秀香は低い呻き声をあげる。

私が横になるのを見計らって、里花は<幸福論>を読みはじめた。
「総じて、悪いものは互いに絡み合っている。そして、そのうちのどれ一つでも、他の悪の原因になりやすい。とりわけ、疲れが実はしばしばねたみの原因になる。」

□今日の読書 ★☆☆☆☆

石に泳ぐ魚 石に泳ぐ魚

著者:柳 美里
販売元:新潮社
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2005年12月28日 (水)

「アメリカ人のまっかなホント」 ステファニー・フォール

[罪と罰]
 誰かに責任を負わせたい、多額の賠償金を要求する訴訟を起こしたいというアメリカ人の執念は、この国を世界一の「弁護士過剰国」にしてしまった。人口2億6800万人の国に、弁護士は100万人近くいる。首都ワシントンでは、住民19人に一人という多さ。人が苦しい立場にあるときにしか登場しない弁護士。

「どうしてサメは弁護士を食わないのかな?」
「同業者のよしみだろ。」

「どうしてアリゾナには禿鷹がたくさんいて、ワシントンには弁護士がたくさんいるのかな?」
「どっちをとるか選ぶとき、アリゾナのほうに優先権があったのさ。」

「首から上だけ出して砂に埋められた二人の弁護士を見たら、どう思う?」
「砂が足りないと思う。」

[余暇と娯楽]
 アメリカ人の買い物好きは、物質主義社会の当然の所産という域を越えている。買い物とは日常の用事なのではなく、レクリエーションなのだ。それは喜びであり、娯楽である。
休暇旅行には、ちぐはぐな模様のショートパンツに白いスニーカー、悪趣味なスローガンを書いたTシャツを着る。

[態度と価値観]
 アメリカの平均的世帯には1.8台の車がある。大半の車は通勤に使われている。仕事に行くのに公共の交通機関を使う労働者は6パーセント未満。
 日本車はライス・ロケット、エコノボックスと呼ばれて蔑まれている。

[食べることと飲むこと]
 永遠の若さとつやつやした肌と、魅力的な容姿を求めるアメリカ人の戦いはとどまるところを知らない。その戦いの前で犠牲になるのは、食べ物の場合、きまって「味」である。

□今日の読書 ★★★★☆

America アメリカ人のまっかなホント
ステファニー・フォール

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2005年12月26日 (月)

「ヒットの掟88 売れ筋商品 発想の鍵探し」 朝日新聞 be 編集部

[日常生活の疑問こそ売れる商品の第一歩]

(アミノサプリ)
 
開発のきっかけは、社内での雑談だった。「アミノ酸を飲むと、後半のスコアがよくなるんだ。」ゴルフ好きの上司が、アミノ酸の「効能」を話した。商品企画部の滝澤奈美さんは聞き逃さなかった。

(子悪魔ブラ)
 就職の面接試験で「セクシーな下着を作りたい。」と宣言した島崎大さんの企画書はあっさり認められた。輸入下着を参考にして作った下着は、「肌を隠す布が少なくて下品」と指摘され、頭がまっ白になった。セクシーっていったい何だろう。先輩の女性社員に相談すると、逆に質問された。
「どんな時にセクシーだと感じるの?」
「何らかの拍子に胸元から下着がちらっと見えたときですかね。」
 胸元を強調することにした。実際売り出してみると、女性たちからは「とにかくかわいい」との声。それまでのブラジャーは、胸元の飾りを抑え、生地を平らにしたものが主流なので、めづらしかったのでしょう。

[商品バリューをどうアピールするか]
(伊右衛門)
 
茶葉のブレンドは、福寿園の谷口良三が担当した。氏の茶栽培農家の生まれで、製茶した茶葉に触れ、色つやをみるだけで、農家の仕事ぶりがわかるという。質のいい茶葉だけ、200種類以上試した。試飲の結果、香りやうまみが必要と言われれば、産地や生産時期を瞬時に選び、加えていった。
 命名にもこだわった。「存在感のある人の名前で、愛着を持ってもらえる」がテーマ。福寿園から社史などを借り、数百人の名前を書き出した。目を引いたのが、福寿園の創業者・福井伊右衛門。サントリーにはいま、「おいしい」という声が多数寄せられている。

(ムシ歯になりやすい人のクリニカ)
 ストレートなネーミングは、人を引きつける一番の近道。
 えらく長い名前の歯磨き粉が、「ほかの人より虫歯になりやすい体質なのでは」と思う消費者を引きつけた。「商品名を見て、自分もそうだという共感を得られることが大きかった。

[危機感と失敗から生み出す新発想]
 カシオは日本初の個人用デジタルカメラを発売したが、他社が追い上げ競争激化で、売り上げは徐々に落ちた。中山商品企画室長は、機能ばかり追求する風潮には疑問を感じていた。「もっと、デジタルの良さを生かした新しい使い方を提案できないか」
 そのきっかけは、忘年会だった。宴席で、取引先の男性社員が厚さ1.5センチほどのアルミ製名刺ケースを取り出した。「これぐらいの大きさのデジカメがあるといいですね。」すると中山さんの上司が「このケースの中に入れてお返ししましょう。」と即答した。中山さんも思わず「いや、もっと薄くないとダメですよ。」と継いだ。
 従来は当たり前だったオートフォーカスとズーム機能をなくした。さらにCCDとレンズを一体化させ、この結果レンズの厚さを従来の半分の9.4ミリに抑えられた。一方で、シャッターを切ってから実際に撮影できるまでの時間を従来の0.2秒からO.O1秒へと短縮させた。

[緻密な市場分析でターゲットを狙い撃ち]
(スパ ラクーア)
 東京ドームに隣接する「ラクーア」の一角には平日にもかかわらず午前11時前から50人ほどの行列ができている。ほとんどが女性客で、主婦や平日休みの女性のグループである。オープンから1年で135万人の来場者を数えた。宣伝活動はほとんどせずに、口コミ人気だけでこれだけ集まった。「都心でリフレッシュというコンセプトで、25~35歳の女性を対象にした。」ことが勝因。迷いのない方針が柱となった。

[時代のムーブメントに機敏に飛び乗れ]
(コエンザイムQ10)
 もともとQ10は心臓病治療薬のために細々と作られてきたものだった。それが90年代半ばになって米国で肥満や生活習慣病の予防に役立つと支持され、サプリメントの人気ランキング上位の商品に成長した。カネカは、「日本コエンザイムQ協会」を設立し、その活動が実を結び、テレビ番組などで取り上げられ、大ヒットにつながった。カネカは、世界で出回るQ10の6~7割を生産する。

□今日の読書 ★★★★★

ヒットの掟88―「売れ筋商品」発想の鍵探し ヒットの掟88―「売れ筋商品」発想の鍵探し

著者:朝日新聞「be」編集部
販売元:朝日新聞社
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2005年12月25日 (日)

「読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド」 北上 次郎,大森 望

[戸梶圭太が描く爆笑"激安犯罪" - なぎらツイスター]
 ミステリ小説には、頭のいい犯罪者とか、社会派的なリアリズムとかプラス・アルファがあるが、現実にはそういうことはない。だから小説にもなくていいんだ。戸梶圭太は、バカな奴をバカなまま書いておもしろい小説になることを証明した。

[ジュニア小説家から化けた唯川恵 - 肩ごしの恋人]
 テーマはシンプルで、幸せとは何か、結婚とは何か、というものなんだけど、展開の先がよめないんですよね。そういう小説は人物造形が絶妙じゃないと耐えられないんだけど、それが見事なんです。

[世界が一変する本格ミステリの快感 -- 小川勝己の眩暈を愛して夢を見よ]
読み終わったときに世界の見え方が変わっちゃうような小説

[エリック・ガルシア 「さらば、愛しき鉤爪」必読の爆笑"恐竜ハードボイルド"]
おもしろいギャグがいっぱいあるんだけど、それがギャグだけで終わってなくて、全部事件の核心の伏線になっている。

その他、お薦め200冊についてのガイドがついています。全部読みたくなります。

□今日の読書 ★★★★☆

読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド 読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド

著者:北上 次郎,大森 望
販売元:ロッキング・オン
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2005年12月24日 (土)

「映画の仕事はやめられない」 附田 斉子

[映画はどこで買うの?]
1月、アメリカのパークシティのサンダンス映画祭
2月、ベルリン映画祭
5月、フランスカンヌ祭
8月、イタリアのベネチア映画祭
9月、カナダのトロント映画祭
10月、韓国の釜山映画祭
11月、アメリカのロサンゼルスのAFM映画祭

[映画のお値段]
数百万円から数億円
 映画の値段とは実に不思議なものです。日本の映画館では大人の入場料は1800円です。制作費1億円ぐらいの小さなインディペンデント映画から制作費100億円というハリウッドのメジャー・スタジオがつくるものまで、一律、同じ料金でみることがでます。通常、商品というものは制作費があり、それによてそれぞれ異なった売値が決まるものですが、映画の場合、大作でも小さなアート作品でも同じ入場料を払うのです。
 日本では、セラーから映画を買うときの値段は一般的に、アメリカ映画の場合は制作費の15%くらいといわれています。

 辛いことや、悲しいことがあっても、いい映画をみると、元気になって「さあ、明日もがんばろう!」と思えたり、「ああこんあ素晴らしい映画に出会えて、生きててよかった。」と思ったりすることがあります。そんなとき、こんな映画をつくり、支えて、私たちのもとに届けてくれた人たちみんなに感謝したくなります。

□今日の読書 ★★☆☆☆

映画の仕事はやめられない! 映画の仕事はやめられない!

著者:附田 斉子
販売元:岩波書店
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2005年12月22日 (木)

「会社のストレスに負けない本」 渡部 卓

私には高校、大学を共に過ごした無二の親友がいたが、総合商社に勤めていた彼は過労死とも思える理由で突然亡くなった。あれ以来、商社マンだった彼の魂が私に、「無理をするな」とテレパシーを送っているように感じるようになった

[ウィークタイズ]
たまにしか会わないけれど信頼する人との細く長い関係
転職がつきまとう時代で本当にモノをいうのは、ウィークタイズ(Weak Ties)であるという。転職だけでなく、実際の仕事にもこのウィークタイズは大きな意味を持つ。

[もはやトップダウンマネジメントはアメリカでも時代遅れ]
[サーバント・リーダーシップによる経営]
 企業をあるビジョンや戦略を元に変革させなくてはならない状況の中で、トップダウンの思想ではなく、トップ自らが謙虚になり、奉仕の精神をもって、社員に、顧客に、取引先に感謝し、奉仕の精神で接しながらリードしていくという経営ポリシー論。社員に「働く」喜びを与えるマネジメントを積極的に心がけていただきたい。

[傾聴]
 部下の話に反論や批判をしないで、受容、共感、理解に努めてひたすら「聞き役に徹する」。少しでも部下が悩み、相談したい気配がうかがえれば、きっかけをのがさず、部下の話に耳を貸し、共感し、自らの腑に落とすことが必要なのである。56%の20代女性は上司がストレスの原因。

[ネットで自己カンセリング]
 メンタフ・ダイアリー(<リンク:http://www.mtop.co.jp>http://www.mtop.co.jp</リンク>) うつの予防効果も期待される便利な機能が備わったネット上の日記ソフト

[メンタルタフネスが人生を切り拓く]
 加藤氏は作業機械事故で右手のすべてを失ったのにもかかわらず、事故後に自作でその右手に変わる補助器具を作り上げた。それだけでも感動してしまうのに、「人の喜ぶ顔がみたい」一心で、四肢がほとんど動かない重度の障害者が切望して止まなかった「自分のあごで操作する」ワープロと発生器の機能を併せ持つ器具を作りあげた。「右手を失った代わりにもっと大切なモノを得ることが出来た」と加藤さんは言う。

[ワークライフバランス]
今後、企業の健全なメンタル・ヘルス保持能力がその企業のコア・コンピタンスとなっていくと考えられている。うつ病が続出するような工場で作られた製品では、いくらスペックが秀逸でも品質に不安がある。また、サービスの窓口は表面的にはにこやかでも、裏現場では過重労働による過労死や自死者が出ているようなケースでは、ユーザもいずれ、製品やサービスのどこかにしみ出したストレスに気づき、顧客満足とはほど遠いことになってしまう。
社員の幸福のために、長期的にひとりひとりのワーク・ライフ・バランスを重視していく経営が望まれる。

[TGIF Thanks God It is Friday]
「ああしんど、今週も今日で終わりだ。明日からは週末だ。ヤスメルゾ!!」みたいな感じ。日本の「花金」の語感に近い。

 米国の会社では、金曜の五時くらいになると、会議室のあちらこちらに、三三五五社員が集まり、ソフトドリンクやスナック菓子などで、お茶会が始まるのだ。一時間もしないうちに終わってしまうのだが、これが社員のコミュニケーションにはよい機会となる。この軽い飲み会をTGIFという。TGIFはストレスが続く一週間がやっと終わろうとする、ほっとするひとときである。米国のこの時間に残業などしているのは変人の部類である。

□今日の読書 ★★★☆☆

会社のストレスに負けない本 会社のストレスに負けない本

著者:渡部 卓
販売元:大和書房
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2005年12月21日 (水)

「[図解]みるみる字が上手くなる本」 田中 鳴舟

[統一の原理] 一文字における書きぶりの統一をはかる。
[相譲相避の原理] 上下左右を譲り合わせる。(たとえば「林」で左右を重ねない)
[文字ふところの原理] 各部分の間の取り方を調整するセンス
[均整の原理] 中心と貫通の左右対称のバランス (たとえば、「事」左右対称、上を長く、下を短く)
[等分割の原理] 点画を等間隔にあうる。(「書」よこ画を等間隔に空ける)
[右上がりの原理] 左右の部分から成る文字で、上部の横画が並ぶ場合(門、研、控、距など)、左側のよこ画は右上がりにつよく、右側のよこ画を穏やかな右上がりになるように配置する。

[均衡の原理]
小さいへん(咲、巧、堤)は、高くする。
小さくするつくり(私、紅、知)は、中程より少し下におくと安定する。
つくりを小さくして下げて書く(切、助、動) つくりの上に小さく空間を空ける。
右の長いたて画を下に伸ばす(綿、肺、怖)
下部を心持ち右に寄せる (蚕、善、令、皇) 「中心を貫通させる」より若干右にずらす。

[点画の位置]
左右のはらいは水平に(又、欠、失)
並ぶよこ画は一本だけ長く (無、筆、妻、量)
左右のたて画は、右を長く (刊、付、再)
右下への斜め線は長く (成、氏、武、感)

[たて画垂直] たて画の軸がぶれて、絶対に右に傾かないようにする。わずかに左に傾くようにする。(争、来、剰、耕)

□今日の読書  ★★★☆☆

[図解]みるみる字が上手くなる本 [図解]みるみる字が上手くなる本

著者:田中 鳴舟
販売元:PHP研究所
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2005年12月20日 (火)

「知ってるようで知らないものの呼びかた」 ことば探偵団

[コンパス]
円を描く道具で、漢字で[規]と書きます。読みは何と「ぶんまわし」です。

[針の目]
糸を通す穴を「耳」と呼びます。こちらが「針の耳」先端が「針の目」

[野菜]
キャベツ--玉菜
トマト -- 赤茄子、唐柿、珊瑚樹茄子、小金瓜

[雨]
驟雨(しゅうう)・俄雨(にわかあめ)・肘笠雨--急に降って、急に止む雨
地雨(じあめ) -- 決まった強さで降り続く雨
叢雨(むらさめ) -- ひとしきり強く降る雨
春霖(しゅうりん)--長く降る春の雨
五月雨 -- 梅雨
翠雨(すいう)-- 青葉のころの雨
天泣(てんきゅう)-- 晴れているのに雨がふること「狐の嫁いり」
小糠雨(こぬかあめ)-- 霧雨
喜雨(きう) -- 日照りのときに降ってくれる雨
時雨(しぐれ)--晩秋から初冬にかけてふる通り雨
秋霖(しゅうりん)--秋に長く降る雨

[トイレ]
御不浄(ごふじょう)/厠(かわや)/雪隠(せっちん)/憚り(はばかり)/突き当たり(デパートの隠語)
後架(こうか) もともとは洗面所の意味/遠方(三越の店員さんはこう言う)
溷(こん) 豚小屋/ 用所/隠所/閑所/

[宝石]
ダイヤモンド・・金剛石
オパール・・・・蛋白石
エメラルド・・・翠玉
ルビー・・・・・紅玉
トパーズ・・・・黄玉
サファイア・・・青玉
アクアマリン・・藍玉
ラビスラズリ・・青金石
ガーネット・・・柘榴石
トルマリン・・・電気石

[商標登録されている]
宅急便、アクアラング、ウォッシュレット、エアーキャップ、エレクトーン、ジープ、万歩計、ラジコン、ボンド、セロテープ、シーチキン、ポリバケツ

□今日の読書 ★★★★☆

知ってるようで知らないものの呼びかた 知ってるようで知らないものの呼びかた

著者:ことば探偵団
販売元:幻冬舎コミックス
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2005年12月19日 (月)

「珠玉の日本語・辞世の句 コレクター北原が厳選した「言葉のチカラ」」 北原 照久

[在原業平(ありわらのなりひら)]
つひにゆく 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを
  世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
この世に桜というものがなければ、心騒ぐこともなく、のんびりした気持ちで過ごせるのに.. 桜を女性に見立てて詠むとは、なんとも風流な。

[西行]
願はくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ  (春の2月15日 山桜満開のころ)
満月-十五夜-望月
望月の翌十六夜の月 -- ためらうように出て来るから、「十六夜(いざよい)月」
十六夜の次は、「立待月(たちまちづき)」さらに「居待月(いまちづき)」「寝待月(ねまちづき)」
最後が、「晦(つごもり)の月」次が「新月」それから「三日月」、望月の前を「待宵(まちよい)」と繰り返す。

[陶晴賢(すえはるかた)]
何ををしみ 何をうらまん もとよりも このありさまの 定まれる身に
何を惜しみ、何を恨みに思うものか、こうなることは最初から定まっていた運命なのだから。
「恨みますまい、この世のことは、仕掛け花火に似た命。咲いて散る間に舞台は廻る...」毒婦「花井お梅」を歌った「明治一代女」の歌詞と同じ
[別所長治(べっしょ ながはる)
今はただ うらみもあらじ 諸人(もろびと)の いのちにかはる 我身とおもへば
秀吉の軍に兵糧攻めにあい、籠城すること二十二カ月。ついに自分の命と引き換えに、城兵の助命を乞う。
彼の妻、お照の句
もろともに 消え果つるこそ うれしけれ おくれ先立つ ならいなる世に
ふつうなら夫婦のどちらかが先に死んで、片や遅れて残されるのが倣(ならい)なのに、あなたと一緒にあの世にいけることがなにより嬉しい。

[黒田如水]
おもひおく 言の葉なくて つゐに行く 道は迷わで なるにまかせて
ケセラセラのようでもあるが、じつは「なるにまかせる」こそ真理なり。人生も、死後も、なるようになる、なるようにしかならない、というのが真実である。

[知覧特攻平和会館]
・・・自分は辛いわけではありません、悲しいわけでもありません
・・・お国のため、親兄弟のため、お母さんのために、いま旅立とうとしています。
・・・役に立つなら、自分は喜んでまいります。
・・・だから、母上も悲しまないでください。
・・・父上に、先立つ不孝をお許しくださいと、そうお伝えください。

□今日の読書 ★★★★☆

珠玉の日本語・辞世の句 コレクター北原が厳選した「言葉のチカラ」 珠玉の日本語・辞世の句 コレクター北原が厳選した「言葉のチカラ」

著者:北原 照久
販売元:PHP研究所
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2005年12月18日 (日)

「オリーブの海」 ケヴィン・ヘンクス

[はじまり]
「あなた、マーサ・ボイル?」
マーサはうなずいた。
「わたしのこと、しらないわよね。」女の人は、玄関の外でいった。
「オリーブ・バーストウは、わたしの娘だったの。わたしはオリーブの母親よ。」
マーサは、思わず息をのんだ。
「オリーブとどれくらい仲良くしてくれてたのかは知らないけど。オリーブの日記に、こんなページがあったの。オリーブは、あなたにもっててもらいたいいんじゃないかと思って」
マーサはドアをあけて、ピンク色の長方形の紙を受け取った。
「用はこれだけ」「それとお礼をいいたくて。ありがとう、マーサ・ボイル」

[おわり]
オリーブ・バーストウは、死んだ。モンローストリートで自転車にのっているとき、車にひかれた。何週間か前のことだ。マーサが知っているのは、それだけだった。

[望み]
ゆっくりと、マーサは紙切れをひらいた。
六月七日 わたしの望み
  いつか、本を書きたい。作文の授業で書くようなのではなく、図書館や本屋さんにあるようなほんものの本だ。………
……
それ以外の望み?
来学期は、マーサ・ボイルと仲良くなりたい。友だちになれたらいいなと思う。それが、一番の望み。マーサ・ボイルはクラスでいちばんやさしい。

マーサはぞっとして、紙切れをにぎりしめた。わたしと同い年の、もう死んでしまった人の日記のページ………

[イニシャル]
 電話はまだ来ない。マーサは波がとどかない場所に、ジミー・マニングのイニシャルを書く。波が押し寄せて来ても消えない。家にもどって窓際のいすに座り、ぼんやりとしていた。
 電話が鳴ったとき、マーサはまだぼーっとしていた。そして受話器のむこうからヴィンスの声が聞こえてきた瞬間、がっかりした。

「なに」マーサはぶすっとしていた。
「母さんに、このままマニングのうちにいてもいいか聞いてくんないかな?」
「自分で聞けば」マーサはいった。いろんな理由で、気持ちがしずんでいく。
「母さん、いる?」
「いるんじゃない。ちょっと待ってて」
「まだかよ?」
「いまさがしているとこだってば」マーサはムッとしていった。
「あ、そうだ。わすれるところだった。おまえも夕ごはんを食べにこいってさ。ジミーにさそえっていわれてたんだ。」

ぱっと顔が明るくなる。あっという間に。
マーサはいそいでお母さんをさがして、許しをもらった。

□今日の読書 ★★☆☆☆

オリーブの海 オリーブの海

著者:ケヴィン ヘンクス
販売元:白水社
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2005年12月17日 (土)

「東西南僕」 小玉 節郎

[大分県小鹿田焼き]
 小鹿田(おんた)焼きという焼き物の里が大分県にあって、その材料の土を作るのに、川の水を利用しているという。その話を聞きに行こうということになった。渋い焼き物のファンなら、小鹿田焼きを知らないでどうする? と思うかも知れないが、よく知られているとは言い難い気がした。
 小鹿田焼きのデザインに変化はあるのかと聞くと、人間が変わってきているという意味では変化しているそうだ。その程度しか違わないということである。

 一息入れるために、仕事場を離れて町内を歩いていて展示館を見つけた。中に入ると、ほぼ何もない。壺が二つ、あとはがらんとしていた。日用雑器を作っているということで、過去の「作品」が残っていないのである。

[深川の金魚売り]
 深川に深川という川がないことは知っていた。深川八郎右衛門という人物が徳川家康の要請を受けてこの地を開発し、その名を地名にすることを許された、それで深川である。「金魚売り」が
「案外儲かるもんなんだ。あの、金魚鉢がさぁ曲者なんだよ。上の飾りのところは見た目よく広がっているけど、鉢の口そのものは狭いだろ? 金魚を飼うのに全然向いてねぇんだよ、本当は。
 あれに、一匹じゃさみしいだろ、三匹かそこらは入れるだろ、彩りもよくしてな。で、水草を入れる。これだって根のないもんで、まぁ息はしてない。それでさ、必ず餌を入れ過ぎる。もうこりゃ決まってそうなんだ。で、水が汚くなるし、プカプカとやるのはなんだよ。呼吸困難というわけだ。だから、売って十日ぐらいして、戻りにその町内に寄るともう死んでいることが多いんだよ、金魚には可哀相だけどよ。ちょいと粋なねえさんなんかが金魚を飼っちゃ殺すわけだ。行き来に売れるんだよ。

[何枚あるんだ? 千枚田]
 町の元気づけとしても「日本一の千枚田」というスローガンを揚げて、「丸山千枚田保存会」のサポートをしていくのが役場と割り切ることになる。さて、千枚田を見に行った。いや、美しい。全山を覆うとはいかないが、視界を占める小高い山の中腹よりやや上から裾近くまで田んぼで覆われている。なんとも美しい。

[柳川市の堀めぐり] 
 柳川市を巡る水路網は古くから都市基盤をなし、市民の生活や生産活動と密接に関わり重要な役割を果たしてきた。しかし、水運が陸上輸送に変わり、農作物の近代化、特に化学肥料の使用は従前のような水路をさらい、客土することを必要としなくなったばかりか、水質を汚してしまった。市民がいつの間にか川を捨て場として扱うようになり、昭和45年には荒廃は極に達した。
 こうした荒廃を目の当たりに見て、市民の間にもようやくかつての清流を取り戻そうという反省と機運が生まれ、再生への試みがなされたが成果が上げるに至らなかった。そして、昭和52年、幹線水路を残して他は、全面的に埋め立てて、下水溝に取り替えることが計画され、実施の運びとなった。ここで今一度見直しが入り、同年12月かわって河川浄化計画を策定した。

□今日の読書 ★★☆☆☆

東西南僕 東西南僕

著者:小玉 節郎
販売元:柏艪舎
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2005年12月16日 (金)

「乙女日和」 山崎 まどか

[映画日和]
 
映画用語で、夕暮れ直後の柔らかい光のもとで撮影できる時間を「マジックタイム」というけれど、私には今でも八月のこの瞬間が魔法の時間に思える。エンドタイトルでもぬぐいきれない余韻を抱えて、夢見心地の気分のままで歩くのにちょうどいい光。
 そこで大人数の笑いとか、驚きとか、そういうビッグ・ウェーブに身を任せて映画を見るのは、海で波乗りしているみたいに気持ちがいいってことに気がつく。
 一人で家でDVDを見ているだけでは、決して味わえない、今、ここで見も知らぬたくさんの人と同じ経験を分かち会っているという感じ。

 そしてアテネ・フランセの帰りはいつも「レモン」でお茶してチョコレート・タルトを頼む。帰りに友達とずーっと映画の話をしていられる素敵なカフェが近くにあるのが、私の好きな映画館の条件かも。

 野外で映画を見るのも、夏休み的なイベントとしてぴったり。恵比寿ガーデンプレイスでは毎年恒例の催しになっている。

[洋館日和]
 六本木の飯倉交差点の近く、伝説のイタリアン・レストラン「キャンティ」のところを曲がった奥に、白い壁と淡い青の扉が素敵な木造の洋館がある。1930年代にアメリカ帰りの学者が独身者向けのアパートとして作ったという「和朗フラット」だ。月曜と火曜は、ここの一室がカフェ「ひなぎくきつね」としてオープンになる。昔ながらの製法で作られた「クラシックな銘菓」がティールームで楽しめる。(03-3584-6010)

[美術日和]
 川村記念美術館に行ったら忘れてならないこと。常設展でジョセフ・コーネルの箱を見ることである。小さな箱に閉じ込められた、箱庭のような宇宙を見るためだけにでも、ここまで来る価値があるというもの。

[おいしいもの日和]
 銀座の煉瓦亭は、私が外で食べたいと思った時に、赤いチェックのテーブルクロスと共にまっさきに思いつく店だ。煉瓦亭でおいしいのは、なんといってもお肉の揚げ物。特にポークカツレツは食べるたびに感動する。ランチタイムが3時まで。(03-3561-7258)

 もう一軒よく行くのが「銀座キャンドル」。銀座ウエストのそばに発見して以来はまっている。名物はフライドチキンが二本、コロッケがひとつという組み合わせのチキンバスケット。ただのフライドチキンではない、誰もがフライドチキンに求めながら決して果たされない理想が結実したフライドチキンだ。外側はパリッとしていて、中は適度にジューシィ。すごくいい網焼きのチキンでしか味わったことがない食感だ。

[ロケハン日和]
 エリック・ロメールがパリを撮るように、ウディ・アレンがニューヨークを撮るように、どうして日本の監督は東京を撮ることが出来ないのだろうか。
 侯孝賢の「珈琲時光」に出てくる風景は、はっきりと私が住んでいる街、私が大好きな街の風景だと思える。神保町の「エリカ」高円寺の「都丸書店」有楽町マリオンの正面にある小さな小さな珈琲店の「ももや」まで。

 ソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」の清潔で孤独な西新宿や夜の中目黒だって、私の知っている東京だ。異邦人の目を通してキラキラしているから、そう思えるのだろうか?

川村記念美術館  ここはいいですよ。遠いけど。

□今日の読書 ★★★★☆

乙女日和 乙女日和

著者:山崎 まどか
販売元:アスペクト
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2005年12月15日 (木)

「不老革命! 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法」 吉川 敏一

[細胞の老化が病気をまねく]
 四十歳を過ぎるころから、いわゆる「中年太り」が目立ち始めますが、これは成長ホルモンの分泌がその年代に急激に減少することとも関係しています。成長ホルモンが減少すると、筋肉量が減少して脂肪が増え始め、生命を維持するために最低限消費するエネルギー量である「基礎代謝量」が減り始めます。
  このため、それまでと同じ量の食事をして運動不足を続けていたら、当然肥満になります。

[オゾン層が壊れると人類が老化する]
 表皮と真皮の境目には、皮膚の色を褐色や黒色にする色素「メラニン」を生み出す色素細胞が散らばっています。色素細胞に紫外線が当たると、そこから色をもったメラニンという物質が生み出されます。この色素は表皮の上部に移動して、紫外線を吸収し、皮膚を守ります。
 役目を終えたメラニンは、やがて消えていきますが、紫外線を浴びすぎた部分には、このメラニンが沈着してしまいます。これが「シミ」なのです。ちなみに、日焼けした褐色の肌をつくるのも、このメラニンです。日焼けは、皮膚の老化をいたずらに早める「自殺行為」だということを覚えておいてください。

[睡眠時間を削ることは、若さを削ること]
 睡眠と老化との関係を理解するうえでは、睡眠に関係するホルモンについて知っておくことも重要です。睡眠不足が続くと、脳下垂体から分泌される「成長ホルモン」の分泌が低下します。成長ホルモンは成長期のときだけに必要なものではなく、一生にわたって細胞分裂を助けるなど、重要な役割を果たすホルモンです。つまり、睡眠不足によって正常な細胞分裂が損なわれ、細胞のダメージからの回復力は低下するのです。

[続々と登場する注目の抗酸化サプリメント]
 ひと昔前までは、抗酸化物質といえば「ビタミン」という感じでしたが、最近では、様々な抗酸化物質が注目されるようになってきました。たとえば、「コエンザイムQ10」「αリポ酸」があげられます。

 さっそく試しています。「総合ビタミン」「ビタミンC」「コエンザイムQ10」「キョーレオピン」という四種類のサプリメント。コエンザイムは高いです。

□今日の読書 ★★★★☆

不老革命! 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法 不老革命! 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法

著者:吉川 敏一
販売元:朝日新聞社
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2005年12月14日 (水)

「人生に効く! 話芸のきまり文句」 松井高志

 人生の機微と日本語の妙味、そして話芸のおもしろさを味わい尽くす、本邦初の「話芸のきまり文句」小事典とはちょっと大げさなマクラで始まるこの本、落語が好きな方にはお薦めです。

[七度(ななたび)たずねて人を疑え]
 物がなくなったら、まずは自分で何度も何度も探してみることだ。安易に「人が盗ったのではないか」とうがたいをかけるものではないという教訓

[口は禍(わざわい)の門、舌は禍の根]
何か言う時には慎重にという戒め。

[袖振り合うも他生(たしょう)の縁、躓(つまず)く石も縁の端]
 ちょっとしたことでも、すべて前世からの因縁による、全くの偶然ではないから、出逢いは大事に思え、という諺

[桂馬の高上りは、歩の餌食]
凡人が身分不相応な地位に昇進して失敗したり、能力を発揮できないことのたとえ。

[人の過ちは好んで人の師となるにあり]
安易に人にものを教えてやろうと思い上がったりするものではないという教訓

[阿漕(あこぎ)ケ浦に引く網も度重なれば現れる]
隠し事も繰り返していると発覚せずにはいられない。
(あふことをあこぎの島の引く網のたびかさならば人も知りなむ)

[人を呪わば穴二つ]
 人を呪い殺そうとすると、自分もその報いで倒れることになるので、二つの穴を掘っておかなければならない。
 人を恨むな害するな、という戒め

[光陰矢のごとく、月日に関守なし]
「光」は太陽、「陰」は月。時間の経過をとどめる関所の番人はいない。

[空腹にまずいものなし、名物にうまいものなし]
後半は、シニカルな経験則

[色恋は晴れて会っては値打ちがない。忙しい中で首尾をして会う、ここが値打ちだ]
なるほど。

□今日の読書 ★★★★☆

人生に効く!話芸のきまり文句 人生に効く!話芸のきまり文句

著者:松井 高志
販売元:平凡社
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2005年12月 9日 (金)

「ハワイの50の宝物」高砂淳二

 ハワイは輝きに満ちた島々です。もし、あなたの頭に、ワイキキビーチやマカデミアナッツ、買い物ぐらいしか思い浮かばなかったとしたら、この本を読み終わるころには、あなたのハワイに対するイメージは180度変わってしまっていることでしょう。

[Napo makole ムーンレインボー → ムーンボー]
 ハワイでは、夜に虹が出る。夜の虹は、夜に月の光が雨などに当たってできる。正真正銘のアーチ状の虹なのだけれども、月の「ムーン」と虹の「レインボー」を合わせて、親しみをこめてハワイでは「ムーンボー」と呼んだりもする。
 めったに見られるものではなくて、虹の多いハワイでさえも、知らない人も多い。ハワイでは昔から、ムーンボーは出逢った人にのって、最高の祝福であると言われてきた。

[Lua Pele ボルケーノ]
 ハワイの島々は、西から、カウアイ、オアフ、マウイ、ハワイ島という順番に並んでいて、島の年齢からいっても、その順番に古いらしい。カウアイ島は老成した島であるのに比べて、ハワイ島は今も火山活動が盛んなほど若い。さらにハワイ島の東方の海底には、海底火山「ロイヒ」が、次の、ハワイ島の弟島としての誕生に備えているらしい。

[Lani Kai ラニカイビーチ]
 "Lani Kai"、直訳すると、「天国の海」他のどこよりも砂は細かくて白く、海の色はエメラルドグリーンに染まっている。

[Humuhumu nukuhuku a pua'a フムフム ヌクヌク ア プアア]
 この長ったらしい不思議な言葉、何だかお分かりだろうか? カワハギの仲間であるタスキモンガラという魚のハワイ語の名前なのだ。しかもハワイ州の州魚である。

[Hula フラ]
 hula の "hu"は、「昇る」を意味し、"la"は「太陽」を意味するので、hulaは「昇る太陽」という意味をもつのだそうだ。

[Hahalua マンタ]
 マンタといえば、ダイバーなら一度は出逢ってみたい海の大物。でかいものは6畳間ぐらいもあるという巨大なエイの仲間だ。そのマンタに、ハワイ島で、しかも神秘的な夜の海の中で出逢える。

[Manuha kea マウナケア]
 マウナケアとは「白い山」という意味。4000メートルを超えるハワイ一の大山だ。常夏の島ハワイなのに、この山の山頂では雪が降り、冬にはスキーもできる。

[Kili  雨]
 ハワイアン達の雨を表す言葉は、なんと300ほどもあるという。軽い霧のような雨、風に運ばれる美しい雨、冷たい雨、にわか雨、大粒の雨、どしゃぶりの雨、飛沫のような雨....
Kili は、霧でしょう。日本語じゃないの?

[Kona Coffee コナコーヒー]
 純度100%のコナコーヒーを飲んだときには驚いた。口にふくんだときに、鼻に抜けていく香りが全然違うのだ。「これが本当のコナコーヒーか!」と大いに納得したものだ。

He waikwai mui ke aloha; o ka 'u no ia e pulama nei.
アロハは私がもっとも大事にする、偉大な宝物

□今日の読書 ★★★★☆

ハワイの50の宝物 ハワイの50の宝物

著者:高砂 淳二
販売元:二見書房
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2005年12月 5日 (月)

「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ 」 リリーフランキー

泣けることを期待するより、ユーモアを楽しめる小説です。

「着いたら電話するけん...」
「頑張りなさいよ。」

 車掌の吹く笛の音が鳴ると、古いディーゼル車のドアはゆっくり閉まった。オカンは動き出す汽車に合わせて、歩きながら手を振った。短いホームの先端まで追いかけて、ずっと手を振っていた。見晴らしのいい単線のまっすぐに延びた線路の向こうでオカンがどんどん小さくなっていった。
 ボクはちゃんと手を振ることもできずに、その姿をただ、ずっと見送っていた。
 ボクはオカンの握ってくれたおにぎりを食べながら涙が止まらなくなった。

 オカンはずっと別居の理由もオトンの悪口も口にすることがなかったので、ボクはそれなりに、おかしな関係の中でもうまくやっているのだろうと勝手に希望的観測をしていたのだけど、やはりオカンの心情はいつもオトンとのことで思い悩んでいたのだろう。

「風疹」
 家に帰った途端に高熱が出た。そして夜、たまらずオカンに電話すると、オカンはとても冷静な声でこう言った。
「大丈夫よ。明日、朝一番で行ってやるけん、待っときなさい」
 意識朦朧としながら眠ってしまい、次の日の昼に目がさめた時には、頭にタオルがのっていて、オカンがベッドの横にいた。
「朝一番の新幹線で来たんよ...」
 次の日になって、熱はだいぶ下がったけどボクはまだ、寝たままだった。うとうとしながら昼過ぎに目が醒めた時には、パチパチと聞きなれた音がする。
 横を見ると、オカンが横浜のさなえおばちゃんと花札をしているのである。
 寝ている間に、友達や彼女が見舞いに来たらしいが、ドアを開けるとベッドの横でオバハンが花札を打っていたので、みんなビビッて帰ったらしい。

 その翌日にやって来た友達は、教え込まれて一緒に打たされていた。そのせいで、その後しばらく大学で花札が流行したのだった。

「オカンね、ガンになったんよ。甲状腺のガンなんよ。」
「手術するん?」
 声帯摘出の話を聞いて、若松から妹のブーブおばちゃんも駆けつけていた。横浜からさなえさんも来るらしい。手術をしろと言う他に、なにを言ってあげられるでもない。重苦しい雰囲気に耐えられず、ボクは家を出た。言葉が探せない。

 夜も遅くなってから家にもどってみると、オカンとブーブおばちゃん、さなえさんの三人はテレビの部屋の中央に白い座布団を広げ、花札の真っ最中だった。
「マーくん、オカンは手術するて言いよるばい。」さなえさんが札をめくりながらボクに言った。
「よう考えたら、花札は喋らんでもできるけんねぇ。」
 三人で大笑いしていた。
「パチンコも黙っとってもできるしね。」
「アレは、ハナから黙ってするもんよ。」
 オカンの精神力もあっぱれなものだが、こんな時、姉妹や友人の力はかけがえのないものである。

"オカン、ありがとね"
 ボクは離れた所からオトンを眺めている。この数週間で、オトンと35年分の話をしたような気がする。

□今日の読書 ★★★★★

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ Book 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

著者:リリー・フランキー
販売元:扶桑社
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